つみたてNISA Meetup for Teachersに参加してきました。




つみたてNISA Meetup for Teachersに参加してきました。
反射的に申し込んだ後に教職者向けと気づいて一度辞退したのですが、一般参加も可能と金融庁さんから返信がありましたので参加してきました。


森永康平さんのご講演


前半「いまの日本をデータで確認しよう」

給与所得が1997年〜2009年まで右肩下がり、2017年まで横ばいである事。正規雇用と非正規雇用の格差が開いていること等「いまの日本をデータで確認しよう」をテーマにお金にまつわる各種データが示されました。
興味深かったのは「持つべきものは、より富裕層へ」という項でした。貯蓄現在高を第Ⅰ階級(下位20%)〜第Ⅴ階級(上位20%)5段階に分けたとき、有価証券保有割合が第Ⅰ階級2.2%から第Ⅴ階級17.7%まで段階的に上がっていっている事です。資産に資産を産ませることが重要な経済社会では差が開く一方だと読み取れます。
個人的には第Ⅴ階級でも17.1%しか無いの?と思いましたが、社会全体としてはこの水準なのですね。

後半「日本の金融リテラシーの現状」

ズバリ、金融リテラシーの差は年収と資産に直結する!というどうしようもないデータ等、前半同様各種データを根拠に「日本の金融リテラシーの現状」が示されました。
正直びっくりしたのは「金融リテラシー」のスタート地点です。奨学金の利用率や返済率が示されたあと、延滞者のうち半数は申し込みしてから返済義務を知るという調査結果が示されました。延滞者の50%はお金を借りたら返す義務がある意識が希薄、言い換えると借りたお金を返さなくてもいい取引条件が身近に存在すると認識しているという事です。
また「ワンクリックで200万円ゲット!」などのちょっと考えると意味不明な特殊詐欺の被害額が年間400億円もある事、大学生を中心にMLMが広がっている事など、ゼロをプラスにするというよりは、まずはマイナスをゼロまで持ってくる所からという印象でした。
また森永さんが伝えたかったことの一つに、新しい事に興味を持った子に対して、頭ごなしに駄目・危険と教えるのはNGだということがありました。ビットコインにしろバイナリオプションにしろそれがどういう性質のものなのかを理解することが大切で、理解した上でならやるならOK!理解するように促す事が大人の役割だと仰ってました。

質疑応答

恥ずかしかったですが今回も質問してみました。
Q.リスク回避的な人に投資を促すには?
A.リスク回避的である事自体は悪いことでじゃない。投資はみんな怖い。米国人でもそうです。将来のことはわかりませんが、過去のデータをお示ししてデータで語ります。減る日もあれば増える日もあり長期的には増えていることを示します。ただし将来必ず増えるとは言えない。詐欺になってしまう。




高橋忠寛さんのご講演


前半「知っていると得する税制優遇制度」

つみたてNISAとidecoのご説明でした。現行制度ベースのご説明でした。特にidecoの所得控除を強調されてました。

後半「ズボラでもできる資産運用法」

投資効果を決定づける要因は?と右記の3つの選択肢(①タイミング②銘柄選定③資産配分)を用意し、要因の9割以上が③資産配分で説明できると強調されておりました。
興味深かったのは「リスクコントロールを投資金額で調整する」事です。今は100円から投資できる、またポイントでも投資できる。投資額を少額に抑えることで初心者でも損失をコントロールする事ができる。との事でした。

質疑応答

Q1.学校で投資教育に割ける時間は1時間程度が限界。何を教えたらよいか(家庭科教師)
A1-1.まず何故勉強しないといけないのかを教えて生徒の興味を引き、その後具体的な制度の説明をしたらどうか。(森永さん)
A1-2.騙されない金融リテラシーを身に着けてもらうのはどうか。社会保険や税金を通じて世の中のお金に対する興味をもってもらう。(高橋さん)
A1-3.公民・社会科の先生は経済制度などマクロ的、家政・家庭科の先生は家計管理などミクロ的な視点になる。一方生徒側においても全般的にはキャッシュレス関連制度などが好まれ、進学率が高くない学校では資産運用などが好まれる傾向にある。向き合っている生徒さんが何を必要としているかを見極める事が大切と考える。(金融庁)



Q2.家庭において自分の子供に対する金融教育はどのように行うか(公民科教師)
A2-1.貯める、使う、譲る、増やす、岡本和久さんのハッピーマネー四分法を切り口に金融教育を行っています(金融庁)
A2-2.金融教育はめちゃめちゃ行ってます。日本人は真面目なので書籍選定などを重要視してますが、教材は家の中にもあります。お店やさんごっこなども教材になります。おもちゃのお金を貯蓄しちゃうとお店やさんごっこができなくなり経済が止まってしまう(合成の誤謬)。遊びが続かないので親が追加のおもちゃのお金を渡してしまう(金融緩和)など。こういった場面で親がでしゃばってコレってこういう事なんだよと教育しちゃいましょう!子供も難しい表現はできませんが概念理解はできます。ただし最も大切なことは子に期待しないことです。親が「こんなに教えてあげたのに!」と勝手に失望しますので。(森永さん)
A2-3.日本においてはそもそも親が金融教育を受けていません。家計管理などから親が多少勉強するまた必要があるかと思います。また親がどのようにお金を稼いでいるかを話してあげたり、家庭内でお金を話をタブー視しないことが大切と思います。(高橋さん)



Q3.保護者の知識レベルを上げるには?
A3.やはり日本人は真面目なので本を読んだりしますが、まずはマンガや動画で十分です!youtubeで勉強したり、twitterで詳しそうな人をフォローしたりすることから始めましょう。(森永さん)



Q4.知識ついた後、実際に行動に移すことは難しい。なにか良い動機づけはありますか
A4-1.とりあえずやってみる!マインドが大切と思います。行動してみないとわからない事はたくさんあります。この観点から言うと少額投資、ポイント投資はとても良い入り方と思います。(森永さん)
A4-2.本当は良いFPに相談し欲しいと言いたいところですが、必ずしも顧客目線のFPに出会えるとは限らないのが心苦しいところです。第一歩は難しいですがやはり少額から初めて見るのが良いと思います。(高橋さん)







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