投稿

2-2-2 リスク許容度

イメージ
最大損失額で考える 先に述べたようにインデックス投資は長期投資が前提です。原則何があっても市場に居続けなければ報われません。
したがって、リスク資産の割合を決定する際に基準としたい事は、最大損失額です。最大損失額を把握しておき、大暴落が起こったとしても耐えきれる水準を保っておく必要があります。


step1 リスクと期待リターンを決める。 個人で計算するのはマニアックすぎて難しいので、公開されているJPモルガンの数字を参考にしたり、ファンドの海さんのツールをお借りします。なお、未来のことなのであくまで結果を保証してくれているわけではありません。これらの数字を参考に最後は自分で決める必要があります。
私のポートフォリオの場合は、期待リターン5.41%、リスク19.21%でした。

step2 どのくらいの確率を見込むか決める。

確率分布のうち正規分布を前提に確率を見込みます。
(1標準偏差)・・・68.26%の確率でこの範囲に収まる。つまり約3年に1度例外が起こる。(超えて儲かる確率17.065%、超えて損する確率17.065%)
(2標準偏差)・・・95.44%の確率でこの範囲に収まる。つまり約25年に1度例外が起こる。(超えて儲かる確率2.28%、超えて損する確率2.28%)
(3標準偏差)・・・99.72%の確率でこの範囲に収まる。つまり約100年に1度例外が起こる。(超えて儲かる確率0.14%、超えて損する確率0.14%)
正解はありませんが、一般的に2標準偏差で考えている人が多い印象です。ちなみに3標準偏差まで見込むと相当安全寄りなので株式投資はほとんどできなくなります。
私の場合、お手本通り2標準偏差とします。

step3 式に当てはめて最大損失額を計算する。 リスク資産額を2000万円+無リスク資産1000万円=計3000万円とすると、
リスク資産額×(期待リターン±リスクの2倍)
=20,000,000×(5.41±19.21×2)
=-6,602,000〜8,766,000
最大損失額6,602,000円 最大利益額8,766,000円
つまり一年後95.44%の確率で23,398,000円から38,766,000円の間に収まると予想できます。(資産全体で)


さて、再確認ですが最大損失額6,602,000円です。額だけ見ると大きく、可処分所得の何年分…

2-2-1 資産配分

イメージ
資産配分が全て インデックス投資が良いと申しておりますが、インデックスファンドの中身は株式であり、リスク資産です。全財産突っ込むのはリスキーなので、資産配分を決める必要があります。
ところで、例えば若者は時間も将来の給料も期待できるからハイリスク・ハイリターンのハイテク株を保有するのが良い。一方高齢者はローリスク・ローリターンのインフラ株を保有するのが良い。この様に思われているかもしれません。
しかし、リスク調整はリスク資産(全世界株式ポートフォリオ)と無リスク資産(現金や国債など)との保有比率で調整する事が理論上※最も効率的です。リスクを取りたくない人は全世界株式50%と現金50%、リスクを取りたい人は全世界株式100%(更には信用取引で全世界株式200%)など、各々のリスク許容渡により決定すれば良いのです。この割合に正解はなく、個人の考え方や経済的状況に依ります。
※理論上の部分はmyindexさんが詳しいですが、まずは結論だけ知っておくだけでよいと思います。

インデックス投資においてやるべきことは、あれこれと銘柄を組み合わせることではなく、リスク資産と無リスク資産の割合調整を行うことが全てとシンプルに考えるくらいが一番うまくいきます。




資産の範囲
資産運用のを考える際、どうしても預貯金額だけで考えがちです。しかし本当は資産全体で考える事が大切です。

不動産 投資用・住居用(マイホーム)の区別無く、不動産も資産に含めて考えるべきと私は思っています。
例えば3000万円の不動産の他に7000万円の現金がある家計の場合、2000万円程度を株式に回しても良いかもしれません。
一方3000万円の不動産の他に500万円の現金しかない家計の場合、資産の大半が不動産ですので、すでに大きなリスクを取っている状態です。特に住宅ローンを利用している場合はレバレッジが効いている状態なのでより大きなリスクを取っています。不動産が値下がりしない事を祈りながら、残債を返済する事に注力するのが先です。


人的資本 例えば2億円を年利3%で運用した場合、600万円のリターンが得られます(税引前)。つまり600万円のリターンを得るには2億円の原資が必要ということです。
一方で、働いて600万円の年収を得ている場合、この600万円も2億円に匹敵する何かから生まれています。何かとかもちろん「働いて給…

2-1-3 低コスト

イメージ
コストの重要性 リターンは不確実ですがコストは確実です。コストはリターンを押し下げるだけで何も生み出しません。確実に得する投資法はこの世にありませんが、確実に損する投資法は存在します。コスト意識の低い投資家はリターンをかなり蝕まれることになります。


売買コスト 売買の都度かかるコストです。米国株投資や高配当株投資などのアクティブ運用は人気の投資法ですが、高コスト体質です。売買の都度売買手数料が発生します。パッシブ運用(ベンチマーク)より多く稼いでも売買手数料でチャラになっては報われません。アクティブファンドも同様の体質なので同成績では売買コスト分劣後してしまいます。


税コスト 最高の資産運用は税金を払わない事とも言われています。タックスヘイブンと呼ばれる租税回避地を駆使したりと、読み物として面白いエピソードもたくさんあります。
利益確定の都度課税されますので、売買頻度を減らすのはもちろん、配当金を出さない手段も有効です。

ここのサイトでよく分かるシミュレーションがあります。
複利の力〜税金繰り延べとリスクが蝕むリターン

無配当(ファンド内の再投資)の場合は、課税が繰延られ複利効果が働き、資産の増え方が大きくなっているのが分かります。
一方配当金有りの場合は、都度課税されて複利効果が得られず、資産の増え方は小さくなってしまってます。


NISAやideco制度の活用
今はNISAidecoといった非課税制度が用意されています。これらの制度は税コストはもちろん、証券会社によっては売買コストが掛からない事もあります。使わない手はありません。


2-1-2 長期

イメージ
私は投資期間を最低でも25年、長ければ無期限(相続させる)で考えています。

桁違いの成績
(出典 ジェレミー・シーゲル (著) 株式投資)
とても有名なグラフがあります。1801年に投資した1ドルが2001年(200年間!)にいくらになっているかを表しています。株式が他資産と比べて圧倒的と言える成績である事が分かります。縦軸を確認頂ければわかりますが文字通り桁違いの成績です。株式投資はコレです。コレに賭けているのです。
また注目したい点は、25年期間でみるとどの期間を切り取っても上がってる点です。逆に10年ですとか短い期間(人生においては長いですが)ですとマイナスとなる時期もあります。株式は大きなリターンをもたらしてきましたが、長期間プロジェクトになる覚悟は必要です。


稲妻が輝く瞬間 (出典 チャールズ・エリス (著) 敗者のゲーム)
株式市場からもたらされるリターンを得るには、上昇するその瞬間に市場に居合わせる事ができるか否かにかかっています。面白いデータがあります。1980年から2008年までの約10000日のうち30日(たった0.3%!)を逃してしまうとリターンはなんと半分になってしまいます。そして、問題はこの30日は事前には分からない事です。個人投資家として出来ることは毎日市場に居続け、撤退しない事です。




平均回帰 (出典 チャールズ・エリス (著) 敗者のゲーム)

特に株式において、単年度では変動幅(儲かる可能性と損する可能性)はかなりの散らばりがあります。こちらのデータによると-40%〜+50%程度です。自分の財産を賭けるとなると怖くなる変動幅です。しかし、期間が長くなるにつれて変動幅が小さくなってくる事が分かります。長期的には成績は平均へと回帰するのです。また、25年期間ではマイナスエリアには掛からなくなっている事がわかります。ここが目指すべきところです。



複利効果 (出典 チャールズ・エリス (著) 敗者のゲーム)
ご存じ複利効果ですが、長期投資ととても相性が良いです。
例えば1ドルを5年間複利運用した場合、4%複利だと1.22ドル、10%複利だと1.61ドルです。それほどの差に感じないかもしれません。しかし20年間複利運用した場合、4%複利だと2.19ドル、10%複利だと6.73ドルです。なんと3倍程度の差がつきました。複利効果は期間が長ければ長いほど…

2-1-1 分散

イメージ
過去の記事で何度かリスクやリターンという言葉を使いました。
「リスクとリターン」と聞けば「損失と利益」と理解するかもしれませんが、ここではすこし異なる意味があります。

リスク 株価は毎日上がったり下がったりしてますが、どれくらい上がるか下がるかはわからない。この散らばり具合をリスクと呼びます。つまりリスクとは儲かる可能性と損する可能性の程度を示します。債券はほとんど増えたり減ったりしない→リスクが低い。株式は結構な幅で増えたり減ったりする→リスクが高いという事です。

期待リターン また株価には上がり下がりしながらも、右肩上がりだったり右肩下がりだったりとトレンドがあります。短期的にはランダムに動きながらも長期的に現れる傾き(資産のリターンの平均)を期待リターンと呼びます。期待リターンが「プラス」だとすると上がったり下がったりしながら長期的には右肩上がりが期待できるという事です。

分散の目的はリスクを相殺する事 例えば、値動きが正反対の2つの株を保てば株価変動が打ち消し合い(リスクが相殺され)期待リターンだけを実現できます。これは理屈の世界ですが、現実の世界でも違う値動きをする複数の株を持てばある程度リスク相殺が実現できます。では相関が低そうな(関係のなさそうな)株を4つ持てば更に相殺しあう?では8だったら?16だったら?全部だったら?と分散すればするほどリスクが相殺しあい、期待リターンを維持したままリスクを下げることができるという事です。これが分散投資が必要とされる理由です。


先に述べたようにどの業界が好況だったり、どの国が不況だったりは予測不可能であり、つまりどの株が上がってどの株が下がるかも予測不可能です。株式固有のリスクは極力負わず、期待リターンのみを得る為に分散投資は不可欠です。




2-1 インデックス投資

イメージ
インデックス投資とは 資本主義は人々の欲望をエンジンに増殖するシステムで、長期的には市場は拡大していく。期待リターン(傾き)がプラスのプラスサムゲームと書きました。しかしこれは全ての時代に、全ての国の、全ての業界の、全ての企業が成長するというわけではありません。好況な企業、不況な業界、好況な国、不況な時期など、様々な状況を織り交ぜながら全体として市場は拡大していくという事です。


この好不況の予測が個人の力量では困難(またはメカニズムが複雑でそもそも不可能)だとすれば、理論的に正しい投資法とは、世界中の市場全体に分散投資する事となります(全世界株式ポートフォリオ)。これがインデックス投資の基本的な考え方です。
どの株が上がるか全然わからないけど、全株の平均株価は上がだろう事はわかってる。それなら全部をちょっとずつ買えばええやんという事です。
(ちなみに資本主義に疑問があったり、将来は全世界が退廃していくと思っているなら投資はしない方がよいです。というかできないでしょう。)


インデックスは指数のこと インデックス(指数)といえば日本では日経平均、TOPIXなどが有名です。これの世界版にACWIFTSEがあります。世界平均株価みたいなイメージです。47か国約3000銘柄が含まれています。そして、これらの指数に連動した(全世界株式を時価総額ベースで買える)投資信託もあります。これを買うという事は、先の3000銘柄全部をほんのちょっっっとずつ買うイメージです。つまり経済学的に正しい投資ができるという事です。


現時点で代表的な投資信託としては、
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
たわらノーロード 全世界株式
などがそれにあたります。SBI証券や楽天証券などで買う事が出来ます。