橘玲さんの講演を聴いてきました




4月13日に橘玲さんの講演を聴いてきました。橘玲さんは私を投資の世界に連れてきてくれた人なので私の人生において重要な人でとても感謝しています。マネーロンダリング永遠の旅行者などとてもおもしろい小説を書かれていて、お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方に代表する金融リテラリー本では株式、債券、社会保険、民間保険、不動産、税金、にかかる特徴、制度、歴史がわかりやすく書かれており出版されている本は全部を何回も読みました。今は金融関係というよりは進化心理学、行動経済学が中心のようですが、相変わらず好きです。近頃ではジュディス・リッチ・ハリスさんの書籍に出会えるきっかけを貰って子育て指針の参考にしてます。

前置きが長くなってしまいましたが以下、講演会の感想を書きます。「リベラル化する世界の分断」というタイトルでした。









・産業革命という相転移
産業革命以降の人口一人当たりの所得推移。世界全体では所得は激増している。(しかし特に先進国では個人格差が広がっている)






・知識社会のテクノロジー爆発
人間の進化スピードは遅く、テクノロジーの進化スピードは速い。この先更に知識社会についていけない人が増加するだろう。
もしかすると機械が機械を進化させる世界が来るかも?そうなったら知識のアドバンテージが失われ新しい序列基準が生まれるだろう。(狩猟時代は肉体的強靭さがアドバンテージであっただろうが、現代ではそうでない様に。)






・リベラル化する世界の分断(アメリカ)
サイバーリバタリアン=シリコンバレーの人、プアホワイト=ラストベルトの人、という感じです。
説明を文字に起こすと非常に長くなるのですが、ポイントはプアホワイト層の出現です。(知識社会に適応できなかった、アファーマティブアクションなどのリベラル政策の保護対象から外れた)






・平成とはなんだったのか(全体)
全体として、正社員の割合はそれほど減少していない。非正規社員の割合は確実に増加している。自営業者の割合が減少している。







・平成とはなんだったのか(若者 女性)
女性の場合、正社員の割合は減少傾向にあるが、バブル期に増加しバブル崩壊後以前の水準に戻ったとも言える。無業者(専業主婦)が減少して非正規社員が増加している。






・平成とはなんだったのか(若者 男性)
男性の場合、正社員の割合はバブル崩壊後以減少している。無業者と非正規社員が増加している。







・人口推移
1995年 バブル崩壊期において政治経済界は、団塊世代の雇用を守る行動を取った。その代り、団塊ジュニア世代の雇用が失われた。






2020年 おそらく政治経済界は、団塊世代の社会保険を守る行動を取る。その代り、現役世代の負担が増すと予想される。






2040年 1.8人で1人を支える時代。官僚と話をしたことがあるが、対処療法で制度を存続する方法を取る以外に方法が無いという話になった。






・ポジティブ感情比較
大卒>非大卒という傾向が顕著。同学歴では女性>男性という傾向がある。若者>壮年という傾向がある。
傾向から外れているのは、男性・若者・大卒層が4位とポジティブ感情が低く、男性・壮年・大卒が2位とポジティブ感情が高い。






男性・若者・非大卒層は自由度が総点を引き上げている。






男性・壮年・非大卒層は唯一点が高かった自由度も低迷してしまう。






・リバタリアン層にも右派と左派がいる。
なお、橘玲さんはベーシックインカム否定派です。なぜなら例えば100,000円/人配る事に決定した場合子供を産めるだけ産んで世帯収入50万円/月とか狙う層が多くなる。また新興国などからBI目当てで日本人と結婚し子を作り日本国籍を取得する層が出てくる。これらの動きが加速すると財源が底をつく。実際はその前に超排外主義的国家となるしかなくなる。



●未来のことはわからない。
橘玲さんが常々仰っるセリフですが、未来のことはわかりません。今回示されたファクトはファクトとして受け入れ、それらに基づいた合理的な判断を繰り返しながら、困難になるかもしれない時代を乗り切っていかなければなりません。今回も勉強になりました!


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